以下の記事は2年前に日本海新聞の【潮流】というコーナーで掲載したものの一部です。
『卒業式』に対する担任の想いを書いていますので少し長いですが読んで欲しいです。

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3月2日、感動の卒業式の最中、最も涙を流していたのは卒業生の担任、兼田丈弘でした。
彼は本校に勤めて7年。
鳥取県(倉吉)から京都の大学に進学し3年次にはスペインへ一年間の語学留学。
大学卒業後、沖縄で働いたのち、本校が運営する職業訓練の生徒として通ってくれていました。
その当時の彼も今と変わらず明るく、優しさに溢れ、前向きでした。
学校の先生であれば彼の能力を十分発揮できると思い、就職先として本校を紹介。
勤め始めてからもその性格・能力をいかんなく発揮し生徒、保護者、他の職員からの信頼を集めています。


今年の卒業生は1年次からの持ち上がりで彼が3年間担任だったため、卒業式に対する想いは格別だったことと思います。
卒業式の直前には生徒の3年間の『軌跡』…いや、『奇跡』を映像にして上映します。
この制作には写真の選択、音楽の選定など莫大な時間がかかりますが毎年担任が制作していきます。
これを作る過程においても思い出を振り返りながら何回も何回も涙を流しながら制作していきます。
学校と家とを往復する車中はもっぱら映像の時に使う音楽を流し、目には映らない思い出の写真を頭の中でリンクさせる。
知らない間にまた涙があふれる。
式の1ヶ月位前からそんな日々を繰り返す。
これだけ泣いたら当日は涙も出ない、そんな状態で当日を迎えます。

迎えた卒業式当日。
完成した映像を見ながら涙を流す彼の姿がありました。
卒業証書授与の時、一人一人の名前を呼ぶ際にも声を震わせながら涙する彼がいました。
卒業生が一人一人、保護者へ感謝の手紙を読む場面でもうなずきながら涙を流す彼がいました。
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たくさんの優しさを受けた人ほどよく涙を流すと言われています。
彼もこれまで色々な人から受けた優しさを生徒や保護者に優しさで返していっていたのでしょう。
卒業生や保護者、在校生、他の職員、来賓の方々、新聞記者の方までも涙を流しながら卒業を喜ぶ。
そんな優しさに包まれながら卒業していける生徒たちはすごく幸せだと思います。
そして、この学校を選んで良かったと感じる瞬間がそこにあると思います。
その優しさをこの先の人生で誰かに返していってくれることを心より願っています。
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卒業生のみんな、明日と月曜日は卒業式練習です。
最高の準備をして最幸(さいこう)の卒業式にしよう!!

校長